長崎県平戸市に本社を置き、長崎の新鮮な食材を大阪・名古屋の各市場へ、そして東京の豊洲市場へも長距離輸送。近距離では大型ダンプでの土砂運搬を行い、まさに硬軟織り交ぜての事業を展開する平戸急送有限会社様。今回、UDトラックスの8Lエンジン搭載Quon(クオン)CW 6╳4ダンプの新規導入に至ったその経緯について、椿山社長にお伺いしました。
物流サービス事業を通じて地元・平戸地域の振興に貢献
(長野) まずはじめに、御社の事業内容について、またその中で大型ダンプを使った事業についても詳しくお聞かせください。
(椿山) 当社は、1972年の設立から今日に至るまで、平戸市を拠点に、長崎県の生鮮食料品を大阪や名古屋の各市場、遠くは東京まで冷蔵・冷凍車の大型トラックを使い、高速道路で運んでいます。メインのお客様は、長崎県漁連。その日の漁であがった魚を漁協が集め、仕分けした荷物を預かり鮮度を保ったまま各市場へお届けしています。また、大型ダンプを使った事業としては近距離輸送で、道路工事や区画工事などで出た土砂や砂利などを、指定の場所まで運搬する業務を行っています。地元・平戸に根ざした事業で、地域の振興に貢献することを企業理念の一部に掲げています。
近距離の土砂輸送に特化した大型ダンプで業務窓口を拡大
(長野) 椿山様にはUDトラックスの8Lエンジンを搭載した、ダンプを2台ご発注いただき納車いたしましたが、導入に至った経緯をぜひお聞かせください。
(椿山) 大型ダンプによる近距離輸送事業は、すでに建設されている西九州自動車道の高速道路について、2 車線区間における4車線化工事が始まることを建設業界の方からお聞きしたことから始まっています。知り合いの運送会社の社長からは、「きっとダンプが足りなくなる」という内容を伝え聞き、大規模な公共工事が始まれば長期的に仕事が発生するので、メインの生鮮品輸送とは別のサブ的な事業としてダンプ輸送に取りかかり始めたのがその経緯です。ダンプ輸送を始めた数年後にはコロナ禍になり、長崎県産食材の輸送需要も厳しくなる中で、大型ダンプの台数を徐々に増やし事業を拡大していきました。
(鮫島) 椿山社長とは、UD車両を導入いただく前からのご縁もあり、ダンプ事業を始めることについてもお話を聞いておりました。当初は中古のダンプを仕入れて使われていらっしゃいましたが、8Lエンジン搭載のQuon CW6╳4ダンプに関してもご検討いただきたく、あらためてご説明のお時間をいただきました。具体的には、キャラバン車をご用意し社長に試乗していただき、車両の性能や仕様を含めたご説明はもちろんのこと、UDトラックス全体のブランドイメージについてもお伝えさせていただき、2台ご導入いただいた次第です。
大型ダンプのイメージを覆すQuon CWの現場力
(長野) 他社のダンプも導入されている平戸急送様ですが、CWダンプならではの特長など、現場ドライバーの方から何かお聞きになっていらっしゃいますか。
(椿山) 8Lエンジンは軽量・コンパクトながら力強いトルクでパワフルな仕事ぶりを発揮してくれます。排気量が小さくなったのを感じなかったのが率直な意見ですね。ミッションは、マニュアル仕様ではなく、ESCOT–Ⅵのオートマ仕様を搭載。ダンプ仲間の運送業者には、UDトラックスのESCOT搭載車両を試験導入した会社もあり、現場での評価がダイレクトに伝わってきます。「無理なく泥道から脱出できてとてもいい」「クラッチ操作が遅れて坂道で戸惑うようなことがなくなる」「操作がラクになり、現場の情報を得る余裕が出てくる」など。仕事に支障なく、無理なく作業をこなしているとの声が聞けて、不安はなかったですね。当初は「やはりダンプはマニュアルじゃないと」と言う運転手が多くいたことも事実です。当社ではダンプ運転歴25年以上のベテランドライバーも在籍し、マニュアル操作に慣れている方々も多いので、固定観念を抱いた従業員の懸念材料が心配でしたが、導入後は特に問題なく運用できています。今後は、若手や女性のドライバー採用を考えると、運転操作がしやすいオートマ車は、魅力の1つだと思います。
(長野) 私は以前、メカニックを8年間やっておりましたので、その視点からも補足説明いたします。ESCOT–Ⅵは、ぬかるみなど泥濘地からの脱出機能を備えています。クラッチの接続制御の最適化により、車両を前後に揺することができます。微妙な発進や後退は、クリープの微速走行で車両の動きをコントロールすることが可能なので、現場での繊細な運搬操作もラクに行え、ドライバーに無駄なストレスを与えず、気持ち良く現場作業に専念することができます。