大型トラックのサイズ(幅・高さ)は各国で異なる?種類や役割も解説

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大型トラックは、長距離・大量輸送を支える重要な物流手段のひとつです。大型トラックにはさまざまな種類があり、輸送する貨物や利用環境によって特性が異なります。

車両ごとの特徴を把握した上で、用途に合ったタイプのトラックを選ぶことが大切です。

この記事では、大型トラックの役割や、各国におけるサイズの違いについて解説します。また、代表的なボディタイプとそれぞれの特性も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

大型トラックは長距離・大量輸送の要

大型トラックは、一般的に貨物の長距離輸送や大量輸送に使用されています。長距離輸送に対応した燃料タンクの大きさや荷台の広さ、積載量に応じたエンジン出力が備わっており、高速道路や幹線道路において効率的な運行が可能です。

大型の荷台を備えているため、小型・中型トラックと比べて一度により多くの貨物を輸送することができます。

 

大型トラックの役割

大型トラックは、さまざまな産業で重要な役割を担っています。ここでは、4つの主な役割について解説します。

 

製造業・建設業での物流支援

製造業や建設業では、大型トラックが部品や資材の供給に欠かせない役割を果たしています。工場への原材料輸送や建設現場への資材搬入など、各産業の物流を効率的に支える存在です。必要な物資を迅速に届けることで、産業活動の円滑化に貢献しています。

 

冷凍・冷蔵輸送による温度管理対応

冷凍・冷蔵機能を備えた大型トラックは、食品や医薬品など、温度管理が求められる製品の輸送に欠かせません。輸送中の温度変化による品質低下や価値の損失を防ぎ、鮮度や品質を保ちながら商品を届ける役割を果たします。

 

倉庫・配送センター間の効率的な輸送

大型トラックは、倉庫や配送センター間での荷物の集約・分散に利用され、物流全体の効率化に貢献しています。例えば、複数の出荷先から荷物を集めて一括配送する場合や、広範囲に分散させる場合に、コスト削減や時間短縮といったメリットを生み出すでしょう。

 

小売・消費者向けの物資供給

大型トラックは、企業または消費者に必要な商品や資材を届ける役割を担い、物資の安定供給を実現しています。日常生活やビジネス活動に欠かせない物流を支える重要な存在として機能しているのです。

 

各国で異なる大型トラックの幅・重量・高さなどのサイズ規制

大型トラックのサイズは、国や地域によって異なります。ここでは、大型トラックの幅や重量、高さなどの規制について解説します。

 

幅と重量の規制

大型トラックの幅や重量は、国や地域ごとに異なる規制が設けられています。これは、道路事情やインフラ、法規制が地域によって異なるためです。

例えば、ヨーロッパにおいては、地方の道路で都市部よりも厳しい重量制限やサイズ制限が課されることがあります。これは、地方道路の構造や耐久性を考慮し、安全性やインフラ保護の観点から設定されている規制です。

 

高さの規制

車両の高さ制限も、国や地域ごとに異なる基準が設けられています。アメリカ、日本、ヨーロッパでは標準的な高さ制限がありますが、その上限は国ごとに異なります。

トラックでの運行を計画する際には、現地の高さ制限を十分に理解することが不可欠です。これを怠ると、橋やトンネルなどの構造物に接触するリスクが生じるため、注意が必要です。

 

環境対応への規制

環境保護の観点から、一部の地域では温室効果ガス削減を目的とした規制緩和が進んでいます。CO2排出量の基準値を満たすトラックに限り過積載を許可する動きもあり、こうした最新の規制に対応するには、事前の情報収集が重要です。

 

大型トラックの種類

さまざまな貨物輸送に対応するため、大型トラックには異なるボディタイプがあり、それぞれ特定の用途に最適化されています。主要なボディタイプとして挙げられるのは、下記の4種類です。

 

平ボディ

平ボディとは、荷台が平らで側面や屋根がないシンプルな構造のトラックです。左右・後方の落下防止柵を開くとフラットな状態になることから、積み下ろしの自由度が高い点に特徴があります。建材や重機、大型機械など、形状やサイズが多様な荷物を運ぶのに適した荷台の形状です。

こうした特徴から、特に積み下ろしのしやすさが求められる現場で使用されているケースが多く見られます。

また、クレーンによる積載作業がスムーズにできる点もメリットのひとつ。一方で、貨物が風雨や雪などの影響を受けやすいことから、天候によってはシート掛け作業などが必要になります。

 

バンボディ

バンボディとは、箱型の貨物スペースを備えたトラックです。荷台に屋根と側面が備え付けられ、いずれも固定されている構造となっています。

貨物を日光や風雨から保護した状態で運送できることから、衣類や食品・機械部品といった天候の影響を避けたい荷物や、盗難リスクがある貨物の輸送に適した荷台の形状です。

また、荷台を完全に密閉できるため防水・防塵性能が高く、内容物の保護性に優れています。さらに、リアドアをロックすることで、運搬時に積荷が落下するリスクを低減できる点も大きなメリット。さまざまな輸送業務で頻繁に使用されています。

 

ウイングボディ

ウイングボディとは、荷台の両側が開閉できる構造のトラックです。荷台部分の側面が開いた状態が鳥の翼のように見えることから、ウイングボディと呼ばれています。大型の荷物や積み下ろしに時間がかかる物資の輸送に向いており、フォークリフトでの積み下ろしもしやすい点が特徴。

ウイングボディはその形状から、側面からの積み込みや荷下ろしが可能なので、短時間で大量の荷物を効率的に積載できる点が大きなメリットといえるでしょう。大量の貨物をさばく必要がある物流センターで、ウイングボディのトラックが採用されているケースが多いのはこのためです。

 

冷凍冷蔵車

冷凍冷蔵車は、荷台に冷却機能が備わったトラックで、低温状態を保ちながら物資を運べるトラックです。主に、生鮮食品や医薬品など、温度管理が必要な製品の輸送に利用されています。

荷台内部は、設定温度によって冷凍・冷蔵の両方に対応可能。また、冷蔵品と冷凍品を同時に輸送できるため、異なる温度管理が求められる貨物も1台で運べます。荷台の温度を適切に管理できるため、品質保持が求められる製品の輸送に最適な車両です。

 

大型トラック選びは、用途に応じた種類とサイズの見極めが重要

トラックメーカーは、各国の道路事情や輸送ニーズに合わせた、多様な種類とサイズの車両を提供しています。企業は、地域ごとの基準に合ったトラックを使用することで、物流の効率性と安全性を確保しつつ、効率良く貨物を輸送できるでしょう。

UDトラックスは、「究極の信頼」をビジョンに掲げ、80年以上にわたって顧客ニーズに応える多様なトラックを販売してきました。現在もなお、世界60ヵ国以上で、日本を代表する商用車ソリューション・プロバイダーとして高い信頼を得るとともに、グローバルな物流業界の発展を支えています。

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